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この記事の内容
- つみたてNISAで分配金はいくらもらえるのか
- つみたてNISAで最も得をする分配金の扱い方
- つみたてNISAで分配金をもらう際の注意点
この記事の信憑性
この記事を書いてるぼくは、つみたてNISAやiDeCoなどで資産運用をし、1年で貯金ゼロ→自己資産100万円を達成しました。
現在も、老後資金1億円に向けて、大した手間をかけずに着々と自己資産を増やしています。
つみたてNISAは、将来の資産形成のために初心者でも投資に参加できるようにと国が推奨する制度です。
参考:つみたてNISA(積立NISA)のメリット・デメリット「貯金よりもおすすめする理由は?」
つみたてNISAの最大のメリットは税制優遇制度で、通常は投資で得た利益に対して20.315%の税金を支払う必要がありますがつみたてNISAでは税金がゼロになります。
通常の株式投資であれば配当金、債券であれば利息という形で定期的に利益がもらえますが、つみたてNISAで投資する投資信託では分配金という形で定期的に利益がもらえます。
配当金や利息と異なる点は、分配金はすべての投資信託で必ずもらえるわけではなく、もらえたとしても投資信託によって毎年や毎月などもらえる頻度が異なる点です。
そのため、つみたてNISAで扱ってる銘柄でいくらくらいの分配金がどのくらいの頻度でもらえるのか気になる方も多いはず。
今回は、そんな方向けにつみたてNISAで分配金がいくらもらえるのかを分配金を受け取る際の注意点と一緒に解説します。
この記事を読み進めてもらえるとつみたてNISAの分配金について理解が深まり、最も効率的にお金を増やすためにどう分配金を扱えばいいのかがわかります。
もくじ
1. つみたてNISAの利益は分配金ともう一つ
分配金の話をする前につみたてNISAで利益を受け取る方法について説明したいと思います。
つみたてNISAで利益を受け取る方法は分配金以外にもう一つあります。
それは、投資信託の購入時の価額と売却時の価額の差によって得られる売却益(キャピタルゲイン)です。
売却益は自分の保有している投資信託の価値(基準価額)が高くなればなるほど大きくなります。
ぼくのおすすめは世界経済の市場平均と連動する世界株式のインデックス型の投資信託ですが、この場合だと世界経済が成長すればするほど価値が高くなり利益が大きくなっていきます。
参考:つみたてNISA(積立NISA)銘柄の選び方とおすすめ銘柄を解説!
分配金も大事な利益ですがつみたてNISAではこの売却益による利益の方が大きいので、それを前提に分配金について読み進めてもらえればと思います。
2.つみたてNISAで分配金はいくらもらえるのか?
結論から言うと、つみたてNISAではほとんどの銘柄で分配金がもらえません。
つみたてNISAは長期の資産形成が目的のため分配金を受け取らずに「複利効果」を利用して長期的に資産を増やしていくことが推奨されています。
「福利効果」とは投資で得た利益を再投資することで利益が利益を生み、雪だるま式に資産が増えることを言います。
この複利効果は長期であればあるほど効果を発揮し、つみたてNISAで10年、20年と投資をすると資産を1.3倍~2倍以上に増やすことも可能です。
下記は、20年間つみたてNISAで年率5%の投資信託を40万円分保有し続けた場合の例です。
分配金なし(再投資)と分配金ありの場合の期間別の資産の増え方
分配金なし(再投資)の場合 | 分配金を受け取った場合 | |||
運用期間 | 総資産 | 利益(総資産-40万円) | 総資産 | 利益(総資産-40万円) |
0年 | ¥400,000 | ¥0 | ¥400,000 | ¥0 |
1年後 | ¥420,000 | ¥20,000 | ¥420,000 | ¥20,000 |
5年後 | ¥510,576 | ¥110,576 | ¥500,000 | ¥100,000 |
10年後 | ¥651,609 | ¥251,609 | ¥600,000 | ¥200,000 |
15年後 | ¥831,588 | ¥431,588 | ¥700,000 | ¥300,000 |
20年後 | ¥1,061,321 | ¥661,321 | ¥800,000 | ¥400,000 |
分配金なし(再投資)の場合と分配金を毎年受け取り続けた場合では最終的な総資産に20万円以上の差が生まれています。
分配金を受け取る場合は保有している金額が変わらないため、毎年受け取る金額は2万円と変わらず20年間で得られる利益は40万円(2万円×20年間)になります。
しかし、再投資すると保有している金額が増えるのと同時に利益も毎年増えていくため、20年間で得られる利益は66万円以上になります。
これが複利の効果です。
分配金がもらえない投資信託は利益が手数料などに持ってかれて損をしていると勘違いしている方もいますが、分配金がないのは運用者側で自動的に再投資を行って複利効果を利用しているということです。
つみたてNISAでは、金融庁が下記の基準を定めて投資信託の銘柄を厳選してますが、分配金の頻度について指定しているのも複利効果を利用してより多くの資産を残してほしいからです。
金融庁が定める基準
- 投資信託、またはETFであること
- 信託期間の設定がない、または信託期間が20年以上
- 毎月分配型ではない
- デリバティブ運用ではない
- 手数料が低水準
したがって、つみたてNISAで扱っている銘柄のほとんどが「分配金なし」なのは全く問題ないのです。
3.つみたてNISAで分配金がもらえる銘柄もあるが注意しよう
一部の投資信託とETFを選べば分配金をもらうこともできます。
しかし、分配金がもらえる金融商品を選ぶ際は下記の2つを理解した上で選ぶようにしましょう。
知らずに選ぶと損をすることになります。
- 再投資によりつみたてNISAの枠がなくなる
- 売却益が減って損をするリスクあり
3-1.再投資によりつみたてNISAの枠がなくなる
分配金がない投資信託を選ぶ際は問題ありませんが、分配金ありの投資信託を選んで再投資をするとつみたてNISAの枠が消耗されます。
分配金を受け取った後に再投資をすることは通常の新規買い付けと変わらないので、つみたてNISAの非課税枠(年間40万円)を使って投資していることになります。
分配金なしの投資信託では枠を使わずに利益が再投資に回りますが、分配金ありでは枠を消耗するので投資できる総額が少なくなるというわけです。
しかも、受け取った分配金を自分の手で再投資する場合はその場で気づけますが、自動で再投資する方法もあるため知らず知らずのうちに非課税枠を消耗していたということも多々あるので注意しましょう。
3-2.売却益が減って損をするリスクあり
また、分配金を受け取ると投資信託の価値(基準価額)が下がり売却益が減る可能性もあります。
分配金には普通分配金と特別分配金の2つがあります。
普通分配金であれば、投資信託全体ででた利益から支払われるので損をするということにはなりませんが、特別分配金の場合はわけが違います。
特別分配金は、利益が出てない場合でも投資家から集めた運用資金から支払われるので投資信託全体の価値(基準価額)が下がってしまいます。
価値が下がるということは売却時の価値が下がるということですから当然、売却益も減ってしまいます。
したがって、必ずしも「分配金を受け取れて得をした!」というわけではないので注意しましょう。
4.つみたてNISAで分配金をもらった場合も非課税
冒頭でも説明しましたが、つみたてNISAの最大のメリットは投資で得た利益に対する税金がゼロになることです。
この非課税のメリットは最終的な売却益だけでなく、定期的にもらえる分配金にも適応されます。
つみたてNISA以外の課税口座で投資する場合だと分配金を毎年、あるいは毎月受け取ると税金も毎回取られるのでデメリットになりえますが、つみたてNISAではこの心配がありません。
なので、長期的な利益よりも短期でお金がほしいという方は、分配金が特別分配金でなく普通分配金であれば受け取るという選択肢もあるかもしれません。
(個人的には短期の儲けが目的ならそもそもつみたてNISAをおすすめしませんが、、、)
5.まとめ:つみたてNISAでは「分配金なし」の銘柄を選びましょう
今回は、つみたてNISAで分配金がいくらもらえるのかを分配金を受け取る際の注意点と一緒に解説しました。
証券マンや銀行員は投資信託を売るために「分配金が毎月もらえてお得!」といったセールストークをします。
これは、すぐお金がもらえると言った方が魅力的に見えて投資信託を売りやすいからです。
しかし、株式の配当金や債券の利息とは異なり分配金を受け取ることは必ずしも得ではないことを覚えておきましょう。
そして、ぼくのおすすめは、「分配金なし」にして福利効果を最大限発揮させることです。
この方法で10年、20年と待てば分配金を受け取るよりも将来的に大きな資産が残せるので目先の利益より将来の大きな利益です。
また、仮に「分配金あり」を選んだ場合は、非課税枠を失うのはもったいないので必ず短期の利益として毎回受け取るようにしましょう。
つみたてNISAの正しい分配金の扱い方を理解して、より効率的にお金を増やしていってもらえると嬉しいです。
早速つみたてNISAを始めたいという方は、下記の記事でおすすめの金融機関と銘柄についても紹介しているので参考にしてみください。
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銀行、証券会社?つみたてNISA(積立NISA)の口座開設におすすめの金融機関を解説
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