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この記事の内容
- つみたてNISAで元本割れする確率
- つみたてNISAで元本割れする確率をは限りなく低くする方法
- つみたてNISAの注意点
この記事の信憑性
この記事を書いてるぼくは、つみたてNISAやiDeCoなどで資産運用をし、1年で貯金ゼロ→自己資産100万円を達成しました。
現在も、老後資金1億円に向けて、大した手間をかけずに着々と自己資産を増やしています。
つみたてNISAは、将来の資産形成のために初心者でも投資に参加できるようにと国が推奨する制度です。
参考:つみたてNISA(積立NISA)のメリット・デメリット「貯金よりもおすすめする理由は?」
つみたてNISAの最大のメリットは税制優遇制度で、通常は投資で得た利益に対して20.315%の税金を支払う必要がありますがつみたてNISAでは税金がゼロになります。
また、つみたてNISAは投資なので、銀行で預金するよりも高い利回りで将来の資産を2倍、3倍と増やせる可能性があります。
参考:つみたてNISAの平均利回りは?どのくらい儲かるのかを銀行預金と比較して解説
しかし、わかっていても元本割れのリスクが怖くてなかなか始められない方も多いはず、、、
元本割れ:金融商品の価格が変動し、預けた資産の当初の金額を下回ること
今回は、そんな方向けにつみたてNISAで元本割れする確率を過去30年のデータをもとに解説します。
この記事を読み進めてもらえるとつみたてNISAの元本割れの確率がわかり、銀行預金とつみたてNISAのどちらがお得かが明確になります。
もくじ
1. つみたてNISAの元本割れの確率の算出方法
つみたてNISAでは、投資信託に毎月一定金額を投資していきますが世界経済の市場平均と連動する投資信託に投資する方法がぼくのおすすめです。
参考:つみたてNISA(積立NISA)銘柄の選び方とおすすめ銘柄を解説!
なので、今回は世界経済の市場平均を示すMSCI ACWIのトータルリターンのデータを利用して元本割れの確率を見ていきます。
使用したデータ
- MSCI ASWIの月末のトータルリターン(USD)データ
- 期間:1987年12月31日~2020年6月30日
このデータを利用した元本割れの確率の算出方法は下記です。
元本割れの確率の算出方法
- 投資終了月のトータルリターンを投資開始月のトータルリターンで割りリターンを算出。
- 例1:1987年12月末(開始月)のトータルリターンが100で、1988年1月末のトータルリターンが102.533の場合、増減率は約102%(102.533/100)で2%以上のリターン→この投資期間では、元本割れなし
- 例2:2002年8月末(開始月)のトータルリターンが269.55で、2002年9月末のトータルリターンが239.985の場合、増減率は約89%(239.985/269.55)でマイナス11%の損失→この投資期間では、元本割れあり
- 上記方法で1987年12月末~2020年6月末までの各期間すべてのリターンを算出し、すべての投資期間の内、何%の期間が元本割れしたかで元本割れの確率を算出。
- 1~2を1ヶ月、6か月、1年、5年、10年、15年、20年と投資期間を変えた7パターンで算出して違いを見ていく。
2.つみたてNISAの元本割れの確率
下記の表が世界経済と連動する投資信託に投資した場合の期間別での元本割れの確率と平均トータルリターンです。
ご覧いただいているように運用期間が長期であればあるほど、元本割れの確率は低くなり平均リターンも高くなっています。
それでは、期間別にひとつずつ解説していきましょう。
期間別元本割れの確率と平均リターン
運用期間 | 元本割れ確率 | 平均トータルリターン |
1ヶ月 | 37.7%(147/390) | +0.46% |
6か月 | 29.4%(113/385) | +3.72% |
1年 | 24.3%(92/379) | +8.23% |
5年 | 14.5%(48/331) | +47.83% |
10年 | 1.5%(4/271) | +104.77% |
15年 | 0%(0/211) | +174.50% |
20年 | 0%(0/151) | +265.31% |
2-1.運用期間1ヶ月の元本割れの確率
運用期間1ヶ月では、390パターンの異なる投資期間の内、元本割れしたタイミングは147と元本割れの確率は37.7%です。
また、平均トータルリターンは+0.46%と全期間で同じ金額を投資していた場合、利益はでますがわずかな利益になります。
元本割れする確率と平均リターンを考えると1ヶ月の短期投資では、リスクのほうが大きそうです。
2-2.運用期間6か月の元本割れの確率
運用期間6ヶ月では、385パターンの異なる投資期間の内、元本割れしたタイミングは113と元本割れの確率は29.4%です。
また、平均トータルリターンは+3.72%と投資期間1ヶ月よりも高くなってはいますが、まだ元本割れの確率と比べるとあまり効率的なお金の増やし方とはいえなさそうです。
2-3.運用期間1年の元本割れの確率
運用期間1年では、379パターンの異なる投資期間の内、元本割れしたタイミングは92と元本割れの確率は24.3%です。
また、平均トータルリターンは+8.23%と100万円を一度に投資したとしたら8万円以上の儲けがでる計算になります。
それでもまだ2割以上の元本割れの確率はリスクが低いとは言えないでしょう。
2-4.運用期間5年の元本割れの確率
運用期間5年では、331パターンの異なる投資期間の内、元本割れしたタイミングは48と元本割れの確率は14.5%です。
また、平均トータルリターンは+47.83%と預けた資産の約1.5倍になるので人によってはリスクよりリターンの方が大きいと感じるかもしれません。
2-5.運用期間10年の元本割れの確率
運用期間10年では、271パターンの異なる投資期間の内、元本割れしたタイミングは4と元本割れの確率は1.5%です。
また、平均トータルリターンは+104.77%と預けた資産は約2倍になります。
元本割れしたタイミングは、1999年の1月末〜4月末の計4回の投資開始月のみです。
10年間の投資期間で大きく元本割れの確率が下がり平均リターンも高くなったのがわかります。
2-6.運用期間15年の元本割れの確率
運用期間15年では、211パターンの異なる投資期間の内、元本割れしたタイミングは0と元本割れの確率は0%です。
また、平均トータルリターンは+174.50%と預けた資産は約3倍になる計算です。
15年の投資期間であればどのタイミングで投資をしても元本割れはしていないことになります。
元本割れの確率が0%で資産が3倍になるのであれば銀行預金よりもはるかにお得と言えるでしょう。
2-7.運用期間20年の元本割れの確率
運用期間20年では、151パターンの異なる投資期間の内、元本割れしたタイミングは0と元本割れの確率は投資期間15年と同様で0%です。
また、平均トータルリターンは更に上がり+265.31%と預けた資産は3.5倍を超えます。
つみたてNISAの最大投資可能期間である20年保有し続ければ、リスクを抑えて大きく資産を増やすことができます。
この20年の間にすることといえば待つことだけです。
銀行預金に20年間預けても数万円程度しか資産が増えないことを考えればどちらがお得かは一目瞭然です。
3.つみたてNISAの元本割れの確率を抑える方法
つみたてNISAにおいて元本割れの確率を抑える方法は下記2つです。
- 投資を10年以上継続
- 20年の満期が来ても焦らず投資を継続
3−1. 投資を10年以上継続
上記の例でもわかるように投資期間が長ければ長いほど元本割れの確率はゼロに近づいていきます。
それは、世界経済の長期的な成長と複利効果によって支えられているからです。
世界経済は不況や災害などにより一時的な停滞はあっても長期で見れば必ず過去の最高値を更新するようになっています。
引き続き、世界の人口は増加しているため今後も世界経済が成長していくことは想像に難くないでしょう。
また、複利効果とは利益を再投資することで利益が利益を生み雪だるま式に資産が増えることを言います。
この複利効果は長期であればあるほどその効果を発揮するので、数ヶ月より数年、数年より10年、20年と投資するとより利益がでやすくなるというわけです。
したがって、不況や災害により一時的に資産が大きく減っても、世界経済の成長と複利効果を信じて投資を継続しましょう。
3−2. 20年の満期が来ても焦らず投資を継続
長期で投資をすれば元本割れの確率は限りなくゼロにすることはできるものの、20年目の満期時にこれまでに類を見ない暴落が起きた場合は別の話です。
その場合は、つみたてNISAの資産が元金を下回っている可能性があります。
また、元本割れはしていないまでも、20年待ったにもかかわらず大した利益が出ない場合もあります。
こういったときは焦らずに投資を継続しましょう。
なぜなら、つみたてNISAでは満期になった金融商品を引き落とさずに課税口座に移して投資を継続することが可能だからです。
その場合、課税口座に移してから発生した利益は課税対象になり利益の2割以上の税金を支払う必要があります。
しかし、もう数年待てば利益がでるだけの水準に戻る可能性が十分あるので、そのタイミングで売ったほうが税金分を考慮してもより多くの資産を残せるはずです。
20年の間に様々な暴落の時期を乗り越えているはずなので心配ないかと思いますが、焦らずにもう数年待ちましょう。
4.つみたてNISAを運用する上での注意点
ここまでつみたてNISAは10年、20年と長期で投資すれば元本割れのリスクはほぼゼロと言いました。
しかし、投資に絶対はありません。
先述した世界株式の投資信託の例も、あくまで過去実績でありこれから世界がどうなるかは誰にも予測できません。
もしかしたら、明日、戦争や未曾有のウィルスにより世界経済が破綻するかもしれませんし、世界人口の増加も突然ストップするかもしれません。
そんな事態になったらもはや銀行すら危ういので心配しても仕方ありませんが、認識しておくようにしましょう。
また、つみたてNISAは余裕資産内でやるようにしましょう。
長期で投資をするために最も重要なのは継続できることです。
もし、生活費や万が一の資金を用意せずに、つみたてNISAの投資金額を無理に多くした場合、突然の医療費や結婚資金など緊急時の資金がなく、途中で引き落とすことになりません。
その場合、短期間で引き落とすわけですから、当然損をする確率が高くなります。
そうならないように万が一の資金は最低限用意して、少額でも良いので余裕資産内でつみたてNISAを利用するようにしましょう。
ちなみに緊急時に必要なお金は生活費の3か月分以上と言われているので、60万円~90万円くらいの貯金ができるまでは、銀行預金とつみたてNISAそれぞれに毎月可能な範囲でお金を積み立てていくと良いと思います。
5.まとめ:リスクを考えても銀行預金よりもはるかにお得
今回は、つみたてNISAの元本割れの確率について30年以上の過去データをもとに解説しました。
お金について語るのをあまり良しとされない日本では、お金に関する知識を学ぶ機会がなくお金に対するリテラシーが全体的に低いと言われています。
そのため、「投資=損をする・騙される」といった悪いイメージばかりが先行し、一般の方がなかなか投資を始められないというのが現状です。
しかし、投資すべてにそのようなイメージがあてはまるのではなく、国が推奨するつみたてNISAで正しい運用をすれば、高確率で資産を1.3倍~2倍以上に増やすことも十分可能ということがわかってもらえたと思います。
低金利時代に銀行に預けた場合だといくら大金を預けてもこのように資産は増えないので、低リスクに資産を増やしていけるつみたてNISAを検討することをおすすめします。
早速、つみたてNiSAを始めたいというかたは、おすすめの金融機関や銘柄について下記記事で紹介しているので参考にしてください。
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